本を読んでいると、写真がしばしば使われています。大抵の写真は著者が撮影したり、史料を所蔵している所から借りたりしています。が、中には編集者が撮りに行くことも……。
姫路の丘へ写真を撮りに行った時のこと。丘と言っても、人の手があまり入っていない、里山のような所です。藪を抜けてズボンをみれば、大量の「ひっつき虫」が。小学生以来じゃないかな、と思いつつ取ろうと腰を曲げた瞬間、来ました。ビキって。痛みが。
ぎっくり腰ではありません。まだ動けます。ですが、紙一重。人気のない丘の藪の中。このまま動けなくなってしまったら、一体、誰が通りかかってくれるか分かりません。そろりそろりと動き、何とか痛みのない姿勢を取りました。
時には、写真1枚の裏に隠れた努力があるのかもしれない。そう思っていただけると、私の腰も浮かばれます。(つ)