年末年始、お酒を飲んで過ごされる方もいらっしゃるでしょう。しみじみと一口飲んで「ああ、美味しいお酒を作ってくれてありがとう……」と私＝酔っ払いは思います。そこでふと気になることが。お酒は漢字表記だと「作る」が正解なのか「造る」が正解なのか。一般的に、小型なものは「作る」と書き、大型なものは「造る」と書きます。でもお酒の場合、「醸造」とも言いますし、造るが正解なのか。でも……。と、酔いも吹き飛んでしまいます。
音も意味もほぼ同じ漢字は、校正をしていても悩みの種です。例えば、「暖かい」と「温かい」。「暖かい」は気温など温度を示し、「温かい」は心のぬくもりや、冷たさをやわらげることなどを示します。他にも「立つ」と「建つ」、「作成」と「作製」などなど。どうしても分からない場合、辞書を引くか、『記者ハンドブック』という本を参考にします。この本は、新聞表記の統一事項などをまとめたもので、漢字の悩みにはまってしまった時の強い味方です。
本を見ても解決しなかったら？ その時は、『記者ハンドブック』に書かれている言葉を頼りにします。「迷う場合は、ひらがなで」。漢字は奥深いものです。（つ）