墨を塗った白いケント紙に、ナイフで切り込みを入れる「彫画」という作品で知られる伊藤太一さんの個展が、明石市立文化博物館で開催されている。
日常の何気ない風景に、おかっぱ頭の少女が小さく描かれた作品は、こどものころにどこかで見た景色と重なり、郷愁を感じさせる。懐かしく、優しい作風。それは伊藤さんの人柄が反映されているのかもしれない。
書籍や雑誌に掲載する原画は、決まって伊藤さんが持参してくださる。大きなケント紙を丸めて、笑顔のやさしい伊藤さんが編集部に来られる日は、心が和む。
そんな伊藤太一さんの世界をぜひ、ご覧ください。
個展「伊藤太一彫画の世界 あしのむくまま西東」。3月26日(日曜)まで。(G)