■本のタイトルは、端的に本の内容を読者に伝えるもの。昔は10文字程度のものが良いと言われていたそうですが、最近はタイトルが長い本が増えたように思います。時間を節約するため映画を倍速再生で見る人が増えているという昨今、本のタイトルが長くなっているのも、あらすじや説明を見なくてもどんな本なのか分かるようにするためなのかもしれません。とはいえ、重要なのは読者が惹かれるものであることです。
■例えば『「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた。』(グレゴリー・J・グバー 著/水谷淳 訳 ダイヤモンド社)。思わず笑ってしまうタイトルですが、中身はまじめな物理学の本。『人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?』(エリエザー・J・スタンバーグ 著/水野涼 訳 竹書房)も、ぎょっとするタイトルですが真面目な科学の本です。どちらも専門書というよりは、興味を持つ一般の人向けに書かれたもの。タイトルと内容、そしてターゲットとしている読者層が一致しているのではないでしょうか。
■ちなみに、数年前に異例のベストセラーとなった本のタイトルは『応仁の乱』(呉座勇一 著 中公新書)。こちらは、四文字です。
■タイトルの良しあしは、長短と関係ありません。では、どんなタイトルならいいのか。その答えを探して、今日も頭を抱えています。(つ)